YouTube「Fantasy cinemagraph」の作り方

GIFアニメの作り方と素材庫

 おもしろいシネマグラフを作ってみました。

 サイズが大きいので、YouTubeにアップ。しかし、エンドレス再生しないとシネマグラフになりません。つまり、YouTubeではシネマグラフをきれいに見られるようなエンドレス再生ができない。

 そこで、方針を変え、通常の動画の一部にシネマグラフを組み込むことにしました。

 できあがったのが下の動画です。パレードでたくさんの踊り子たちが踊っていますが、途中で全員が静止し、静止画像となりますが、その中の一人の踊り子だけが踊り出します。

 シネマグラフはネット上にたくさんあります。その作り方の特徴として、動いている画面の中で静止しているものがある、あるいは、ほとんど静止している画面の中で少しだけ動いている部分がある、のいずれかで作ります。

 ところが今回は、パレードの踊り子が全員、激しく動いている中で、一人の踊り子だけを動かしています。実は、これって、作るのがとても難しい。

 理由は、動画の人物の動きが激しいために、マスクの範囲を固定できないからです。

 今回の踊り子のシネマグラフは、以前から作りたかったものなのですが、作り方が難しく、やっと今日、できあがりました。

 作り方といっても、作業は単純です。

特殊なシネマグラフの作り方

 今回は、力業で作りました。つまり、一枚一枚仕上げていく方法です。

  1. Photoshopに動画を読み込む。

     [FILE]⇒[Import]⇒[Video Frames to Layers]
     (Quick Time Playerをインストールし、読み込むファイル形式と関連づけしておかないとエラーになる。今回は、一眼レフカメラで撮影したmov形式の動画を使いました。)
  2. レイヤーとして読み込みが完了したら、必要なレイヤーを選択する。不要なレイヤーは削除。今回は32枚のレイヤーを使いました。
  3. 一番上のレイヤーをコピー。コピーしたレイヤーにレイヤーマスク。動かしたい踊り子が動く範囲をブラシツールで黒く塗りマスクを作る。
  4. アニメーションを見ながら、このマスクの範囲が最小となるように塗ったり消したりして調整する。(マスクの範囲を選択し塗りつぶすと、この作業が少し楽にできます。)
  5. マスキングが終わったら、マスクの範囲を保存する。マスクレイヤーを右クリックし、[Intersect Mask with Selection]を選択。マスクの範囲が選定されるので、[Select]⇒[Save Selection]で範囲を保存。このマスクレイヤーもう使わないのでは、レイヤーごと削除。
  6. 先ほどコピーした一番上のレイヤーを再びコピー。これを背景レイヤーにします。踊り子の動きが激しいために、動いた後の背景部分を書き加えていきます。先ほど保存したマスクの範囲を読み込み、その範囲内で人物が動いても背景が表示されるように、他のレイヤーから部分的にコピーして背景画像を作ります。スタンプツールだと位置がずれるので、範囲を選択して貼り付け、少しずつ背景を作っていく方がきれいに仕上がります。常に人物が表示されている部分は、背景は不要です。
  7. できあがったら、それをコピーする(背景が2枚となる。)。この背景レイヤーをレイヤーの一番下に移動。一番上のもう一つの背景レイヤーをレイヤーマスク。範囲を呼び出し、範囲を反転。
  8. 後は、レイヤー一枚ずつ範囲内の人物の背景を消していく。消すと、一番下の背景レイヤーが表示される。この作業を一つずつ地道にやる。
  9. できあがったら、アニメーションを動かしてみて、余計な部分が動いていないか確認。良ければ、リバースのレイヤーを入れてシームレスにします。「アニメーションフレーム」をすべて選択。そのフレームの右上にあるボタンをクリックして、[Copy Frame]。また、このボタンをクリックして、[Past Frames]。さらに、ボタンをクリックして、[Reverse Frames]。これで、リバースフレームが追加され、フレーム数が二倍になります。リバースフレームの最初と最後のフレームは、元のフレームと重複しているので削除。
  10. 動画として出力。[File]⇒[Export]⇒[Render Video]
  11. 出力したビデオを開き、速度が適当ですることを確認。アニメーションのプレビューとは速度が異なる場合があるので、できあがったビデオを再生して、速度が適当になるまで、アニメーションの時間を調整する。

 大まかに流れはこんな感じです。オリジナルの動画とシネマグラフの動画をMicrosoftの「ムービーメーカー」に読み込み、一本の動画にしてYouTubeにアップロードしました。