Web翻訳の実力比較(英語-日本語翻訳)

語学(スペイン語など)

 久しぶりの「Web翻訳の実力比較」です。前回『無料の翻訳サイトの実力(2009年1月7日)』で比較したときから、かなり年月が経っています。Web翻訳の世界がどのように変化したのか見てみましょう。
 今回の題材は「海賊」です。先日より海賊の財宝の記事を書いているので、このお題にしました。
 Wikipediaの英文をどのWeb翻訳(またはテキスト翻訳)サイトが最もうまく日本語に翻訳できるかを比較します。英語は「Piracy」です。Piracyと海賊は厳密には同じではないのですが、Wikiで日本語の「海賊」のページから英語版に飛ぶと「Piracy」が表示されます。日本語では「海賊」なので「海」に限定している単語ですが、英語の「Piracy」はもっと広い概念のようです。
 まずは、結果をご覧下さい。

Web翻訳サイト

原  文 、  訳  文

原   文 Piracy is typically an act of robbery or criminal violence at sea. The term can include acts committed on land, in the air, or in other major bodies of water or on a shore. It does not normally include crimes committed against people traveling on the same vessel as the perpetrator(e.g. one passenger stealing from others on the same vessel). The term has been used throughout history to refer to raids across land borders by non-state agents.
Google 翻訳, First Translate、他多数 著作権侵害は、典型的には、強盗や海での犯罪的暴力の行為です。この用語は、空気中、又は水の他の主要な機関や海岸の土地にした行為を含むことができます。これは、通常は加害者と同じ容器を走行する人に対して犯罪(同じ容器に他人から盗む例えば1人の乗客)が含まれていません。この用語は、非国家エージェントによる陸上国境を越えて襲撃を参照するために歴史を通して使用されてきました。
Babylon 海賊は、通常は海上での強盗や犯罪者の暴力行為のことです。 言葉で土地をコミットしており、 AIRでは、行為や水の他の主要な機関や、海岸に含めることができます。 加害者(と同じ船で旅をしている人々に対して犯した犯罪には通常含まれません 同じ船の1つの他の助手席から盗んで)しています。 この言葉は歴史を通して非状態のエージェントによって土地の境界を越え、空襲を参照するために使用されています。
Yahoo,nifty,Infoseek,So-net,Online-Translator.Com 海賊行為は、一般的に強盗の行為または海上の犯罪的な暴力行為です。 語は、土地で、空中で、または、水の、または、岸の他の主要体で行われる行為を含むことができます。 それは、犯人(例えば同じ船で他から盗んでいる1人の乗客)と同じ船に乗って旅行している人々に対して犯される犯罪を通常含みません。 語が、非州のエージェントによって地上国境の向こうで急襲に言及するために、歴史を通して使われました。
Bing, Dictionary.com 海賊行為は通常強盗や海上犯罪暴力の行為であります。言葉は土地、空気や水の他の主要な機関や海岸の行為を含めることができます。通常加害者 (1人の乗客が同じ船で他人から盗んでいるなど) として同じ船で旅行をする人に対する犯罪は含まれません。用語は、非状態のエージェントによって土地の国境を越えて襲撃を参照する歴史の中で使用されています。
worldlingo 海賊行為は海に普通強盗または刑事暴力の行為である。 言葉は土地で、空気、またはの他の主要な水域でまたは海岸託される行為を含むことができる。 それは普通犯罪人と同じ容器で移動している人々に対して託される罪を含んでいない(例えば。 同じ容器の他から盗んでいる1人の乗客)。 非状態の代理店によって言葉が土地のボーダーを渡る侵略を示すのに歴史を通して使用されていた。

 いかがでしょうか。これが2015年7月時点での『英語-日本語』のWeb翻訳の実力です。

 数年前から、何も進歩していません。あいかわらず、意味不明な文章です。困ったものです。翻訳で定評のある「Amikai」の翻訳エンジンをYahooなどが使っていますが、及第点にはほど遠い結果です。

 Google翻訳では、「海賊」と訳すべきところを「著作権侵害」と訳しています。話になりません。
 また、「典型的には、強盗や海での犯罪的暴力の行為です。」と訳していますが、これは間違いです。

 これに対して、Babylon翻訳では、「通常は海上での強盗や犯罪者の暴力行為のことです。」とかなり正確に訳しています。この二つの訳は似ていますが、意味が全く違います。原文「Piracy is typically an act of robbery or criminal violence at sea. 」で、「at sea」がどこまで限定するのかで意味が変わります。

 後半部分を比較しても、Babylon翻訳の方が意味を捉えているのが分かります。拙い日本語ですが、書いてある英文の意味が伝わってきます。ところが、これ以外のWeb翻訳は、でたらめです。日本語の単語がもっともらしく並んでいるだけで、全く意味が分かりません。誤訳というレベル以前の状態で、翻訳になっていません。

 今回の比較では、「Babylon翻訳」が良いように見えますが、別の文章で試して見たところ、他の翻訳サイトよりかなり劣っていました。「Babylon」は削除が難しいウイルスをばらまいているので好きではない。

  「Babylon」は販売方法に問題があるらしく、評判がとてつもなく悪いので、検索エンジンで「翻訳ページ」を探すのが大変です。 翻訳ページで翻訳できるのはほんの少しの間だけ。直ぐにソフトのダウンロードを促すフラッシュが表示され、翻訳不能になります。詐欺サイトです。かなりムカつきます。こんなサイトのソフトをダウンロードしたらどうなるかは推して知るべしです。
 Googleで「Babylon翻訳」を検索すると、「このサイトは悪い評価を受けています」というオレンジマークがたくさん表示されています。

 今回、「Yahoo翻訳」が「Google翻訳」よりも優れていることが明らかとなりました。Web検索では両者は提携しているので、同じ検索結果になりますが、Web翻訳では、Amikaiエンジンを使っている「Yahoo翻訳」の方が優れています。

 今回の比較結果をまとめると、詐欺サイトの「Babylon翻訳」は止めるとして、残るのは「Yahoo翻訳(または、Amikaiエンジンを使っている翻訳サイト)」だけ。そして、時間の無駄なので、「Google翻訳」は使わない。

 今回、久しぶりにWeb翻訳を比較してみて感じたのが、以前はもっとあったと思った翻訳サイトが淘汰され、結局は、上であげた五つの翻訳エンジンしか残っていないということです。

 また、翻訳精度が全然向上していないことも感じました。”文節毎に、箇条書きのように翻訳”してくれた方がよほど役立ちます。これだけ技術が進歩しているのに、Web翻訳の進歩が止まってしまったのはとても残念です。