英語学習には、ネイティブが普通の会話スピードで話し、ある程度の内容のある動画を繰り返し聞くという方法が効果的と思います。
市販の教材は、販売元が選んだ内容のため、退屈、あるいは自分には合わないと感じることがあります。
世界の中でも第一級のスピーカーが話す内容であれば、繰り返し聞いていても飽きることはありません。学習に使う動画のスピーカーとテーマを自分で選ぶことが可能であるということも使いやすい教材として重要な要素でしょう。
そのスピーカーが美人であればなお良い(笑)。
今回は、TEDの動画をダウンロードして、その画面に英語と日本語の字幕を同時に表示させる方法を紹介します。ダウンロードした動画をオフラインで何度でも繰り返し聞くことができ、内容は、字幕でいつでも確認できます。
このように書くだけで、その便利さは分かると思うので、そのメリットについてダラダラと説明しません。下のような動画になります。普通に動画をダウンロードしただけでは字幕を表示できません。
なぜ、TED(TED Talk)を使うのか。それは、英語と日本語の正確な字幕が用意されているからです。YouTubeで表示される字幕は機械で翻訳されたもので、かなりいい加減です。その点、TEDの字幕は正確に翻訳されています。正しい翻訳、これも教材として必須の要素です。
ダウンロードした動画に字幕が表示されない
TEDに限らず、Youtubeの動画でも、ブラウザ上では字幕が表示できても、ダウンロードした動画には字幕は入っていません。これは、動画と字幕が別ファイルになっているためで、これにより、様々な言語の字幕を動画に表示させることができます。
基本的には、動画には字幕は入っていません。字幕を入れて焼き込むことは可能ですが、そうすると字幕を消したり、他の言語に入れ替えたり、2カ国語字幕のうち片方だけ表示したりといった細かな操作ができなくなります。
このため、動画ファイルと字幕ファイルは別々にしておきます。
2カ国語字幕を表示させる動画プレイヤーを入手する
2カ国語で字幕を動画上に表示させるために、『Potplayer』という無料プレイヤーを使います。リンク先からダウンロードして下さい。何もむずかしいことはないので、説明は省略します。
このプレイヤーは韓国製(Kakao Corporation)で、とても高性能です。管理人は、やはり韓国製(GRETECH社)の「GOM Player」を長年使っていたのですが乗り換えました。「GOM Player」はブラウザ乗っ取りウイルス「Hao123」のダウンロードを強要するアップデートポップアップがしつこいので、おさらばです。何度「Hao123」を削除したことか。もういやです。
両者はとても似ているものの、機能はまるで違います。「Potplayer」の方が音もきれいに感じます。
TED Talksから動画を選ぶ
まず、『TED』のホームページにアクセスして、自分の関心のある動画を探します。スピーカーが誰なのか、話しているテーマは何なのか、話すスピード、話し方や発音など、自分の好みに合ったスピーカーを見つけます。
TEDホームページの[Watch]タブ ⇒ [TED Talks]と進み、リストの中から選びます。
管理人は、ケリー・マクゴニガル(kelly McGonigal)にしました。彼女はスタンフォード大学の教授で、ベストセラーになった『スタンフォードの自分を変える教室」(原題は「The Willpower Instinct)』という本を書いた女性です。
TED Talksのスピーカーに選ばれるのは光栄なことですが、なんとケリーの双子の姉妹ジェーンもTEDに出演しています。ここら辺のことは過去記事をご覧下さい。
『世の中にはすごい双子がいるものだ:Jane McGonigal、kelly McGonigal』
TEDから動画と字幕ファイルをダウンロードする
気に入った動画が見つかったら、動画ファイルと字幕ファイルをダウンロードします。
なお、動画ファイルと字幕ファイルは同じフォルダの中に入れておきます。このため、事前にフォルダを作っておきましょう。
1.動画ファイルのダウンロード
下の赤枠のダウンロードアイコンをクリック。
このようなダイアログが表示されます。通常は、[Subtitles:None]になっているので、そのまま[Download Video]をクリックしてダウンロードします。
動画の中には、[Subtitles:None]ではなく、たくさんの言語リストが表示される動画もあります。でも、ここは、字幕なしの動画をダウンロードします。
2.字幕ファイルのダウンロード
字幕ファイルは下の場所のリンクからダウンロードします。ここをクリックするとダウンロードできる言語のリストがたくさん表示されます。
最初に①[English]をクリック。その後、②[Japanese]をクリック。二つの言語が反転します。次に、③Transcriptsの[SRT]をクリックして、字幕ファイルをダウンロードします。
ダウンロードされたファイル名は『KellyMcGonigal_2013G.en.ja.srt』となっています。[en.ja.srt]が英語と日本語の字幕ファイルであることを示しています。
上の方法では二つの言語を一つのファイルでダウンロードしましたが、英語と日本語それぞれのファイルをダウンロードすることもできます。また、プレイヤーでそれらの字幕を同時に表示させることもできます。
語学の学習では、その進捗レベルによりどちらか一方を表示させた方が効率的な場合があります。
そのため、今回は、英語と日本語それぞれの字幕ファイルをダウンロードすることにします。
英語字幕のファイル名は『KellyMcGonigal_2013G.srt』、日本語字幕のファイル名は『KellyMcGonigal_2013G.ja.srt』となっています。
ダウンロードした動画ファイルと二つの字幕ファイルを同じフォルダーに入れます。
2ヵ国語字幕表示にプレイヤーを設定する方法
ダウンロードした動画ファイルをクリックして、[Potplayer]が起動すればOKです。別のプレーヤーが起動する場合は、[Potplayer]の関連付けができていません。その場合は、以下のようにして関連付けします。
動画ファイルを右クリック ⇒ [プロパティ] ⇒ [変更]で、[Potplayer]を選択して[OK]
[Potplayer]に関連付けした動画ファイルを開きます。
動画を停止し、画面上で右クリック。開いたメニューの[環境設定]をクリック。
[環境設定]ウインドウの[字幕]⇒[言語/同期/その他]で、以下のように設定します。
設定するのは、[優先する言語]を[en]、2nd字幕の言語を[jp jpn japanese]、2nd字幕の位置を[70%]、この3箇所です。
設定したら、最下部の[適用]ボタンを押して[OK]。これで設定終了です。
なお、言語の順番は英語、日本語、どちらを優先される言語に設定してもかまいません。
再び動画の画面で右クリック ⇒ ①[字幕] ⇒ ②[字幕を選択] ⇒ ③[字幕を追加]
字幕ファイルを入れたフォルダから字幕ファイルを選びます。英語、日本語どちらでもかまいません。一つの字幕をセットしたら、もう一度同じ操作をしてもう一つの字幕をセットします。
これで二つの字幕が表示されます。
字幕を保存することもでき、次回から、字幕付きの動画を再生できます。ただし、優先する言語しか保存されません。2ヵ国語字幕を次回も自動で表示するには、最初から2カ国語字幕をダウンロードしてセットしておく必要があります。
基本的なことは以上です。
後は、リピート設定したり、再生速度を変えたり、部分的にリピートしたり、いろいろ設定してみて下さい。
設定後は、ひたすら聞き続けます。100回、200回、自分で同じ速度で言えるようになるまで繰り返し聞き、スピーカーの発音を真似します。
聴くだけで話せるようになるというイカサマ教材の「スピードラーニング」がダメ教材な理由は簡単に証明できます。音楽を何十回、何百回と聞いたところで歌えるようにはならない。声に出して、真似をするという訓練をしていないからです。
ところで、動画と字幕が合わないときがあります。字幕のズレは調整できますが、ある程度のズレは容認しましょう。そんなことに時間を取られるより、ヒアリングに集中した方が得です。
ケリーの動画の長さは14分28秒です。他のスピーカーよりも長めです。これを100回聴くのに約24時間必要です。一日2時間聴いても12日間かかります。
余計なことに気を取られ時間をロスするのではなく、ヒアリングに集中したほうがベターでしょう。
不思議なことに、数回聴くと、かなりの部分が聞き取れるようになります。これが英文と日本語で表示しているメリットではないでしょうか。
最後に、今回サンプルに使ったケリーは、確かに美人ですが、何となく病的な美しさという気がします。余計なお世話ですが。