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ピリ・レイスの地図の謎を解明する

 「ピリ・レイスの地図」をご存じでしょうか。これは、オスマントルコの海軍提督ピリ・レイス(Piri Reis)によって1513年に描かれたとされる地図のことです。当時、知られていなかった南極大陸の海岸線が正確に描かれているとして、現代のオーパーツの1つに数えられることもある謎めいた古地図です。

 新大陸がコロンブスによって発見されたのが1492年のことですから、まだまだ南米の状況は、当時のヨーロッパで知られていませんでした。コロンブスは4回、大西洋横断の航海に出ています。三度目の航海ではベネズエラに達していますが、最後の航海ではパナマ付近で座礁し、本国に帰ったのが1504年でした。このように、少なくともスペインでは南米全体については全く知られていない状況でした。

注:この分野に詳しい方がたくさんいると思いますが、アメリゴ・ベスプッチについては、後日書きたいと思います。

ピリ・レイスの古地図の秘密に挑む

ピリ・レイスの地図が有名な理由として挙げられるのは、当時ほとんど知られていなかった南米大陸の海岸線が非常に正確に描かれていること、さらに、氷で閉ざされている南極大陸の一部が描かれていると言われていることです。

 この地図には、たくさんの文字が書き込まれています。その全文については、次回の記事でアップします。

 この書き込みの中に、西の海は、コロンブスの地図を用いて描いたと明記されています。ところが、ここにミステリーがあります。コロンブスは、合計4回の大西洋横断の航海に出ていますが、第1回の航海で新大陸を発見したこと以外、あまり大きな成果を上げていません。南米大陸もベネズエラまでしか行っていません。つまり、南米大陸の海岸線が正確に描かれているこの地図と、地図中の記載内容に矛盾があるということです。コロンブスの最初の航海で用いた地図は、大西洋の距離をかなり短く想定したもので、いつまでたっても陸地に着かないことから、水兵達が反乱を起こす寸前だったようです。

 ピリ・レイスの古地図についての説明は、YouTubeを見た方が視覚的に理解できます。


 また、この地図は、古代から伝わる古地図をかき集め作成したとされており、このことが、この地図をさらにミステリーなものにしているようです。古代になぜ、アメリカ大陸の地図があるのか。

 この地図を最初に見たとき、よく分からない地図だと思いました。縮尺がでたらめという感じがして、これでは航海にはとても使えないと感じました。ましてや、南極の地形など、現在の地図とぜんぜん合いません。

 ところが、先日、ふとしたことから、この地図って平面ではなく立体曲面をそのまま描いたものではないかと思いつきました。

 地図を作成するにあたって、もともと球体の地球を平面にいかに表現しようとするかで、様々な図法が考案されてきました。

 現在、地図の作図に使われている正角図法であるメルカトル図法(正角円筒図法)は1569年に発表されていますが、それ以前にも航海図の一般的図法として使われており、1511年の適用例も確認されています。磁石(後に羅針盤)、星の位置を頼りに航海するには、角度が重要で、方位を直線で地図上に示すことができる正角図法が多く用いられました。

 ところが、ピリ・レイスの地図は、この作図法とはどうも違うようです。いくつもの地図を使ったと書いてあります。

 そのことは、この地図の中に書いてあります。ラテン語で書かれてあり、一部読めない部分がありますが、英語訳され、webで読むことができます。無謀にも地図に書かれているラテン語を翻訳しようかと考えたのですが、よく考えたら、そんなことはこの分野の専門家がとっくにやっていました(汗)。

 この悩ましい地図の存在に学者たちは、南極大陸に見えるのは、実は南米大陸で、羊皮紙のサイズの関係で、回り込んで描かれている、などと子どもでも分かるような滑稽な説明をしています。羊皮紙というのは貴重なもので、描いてみたら用紙に入らなかったので歪めたというようなものではありません。

 さて、この地図が曲面をそのまま平面に投影するように描いたものだとするのなら、「地球に被せてみたら良いのではないか」とふと思い立ちました。以前ですと、そのようなことを思いついたとしても、実際に自分で確認してみる手段がありませんでした。ところが現代はそれが簡単にできます。
 
 前置きはこれくらいにして、驚くべき結果をご覧いただきたいと思います。

 Google Earthの地球画像に、ピリ・レイスの地図を被せたものです。

 無理に変形して合わせたのでないことは、方位線の形から分かると思います。

 これを作っていて驚いたのは、ピリ・レイスの地図を湾曲変形させ、地球の曲面に沿って被せようとすればするほど、地形の位置がピッタリ一致してくることです。特に、地図の縁の部分がピッタリ一致するのには、本当に驚きました。

 どれだけ一致しているのか理解してもらうために、作業過程をフラッシュにしてみました。海岸線が驚くほど一致しているのが分かると思います。

 最後から2枚目のスライドで最終的な位置調整をして、最後のスライドで、地図部分を切り取り、Google Earthの画像と比較できるようにしています。

 説明が長くなりましたが、下の画像をクリックするとフラッシュがスタートします。大きな音が出ますので、音量にご注意ください。

 今回はここまで。

 次回、もう一歩進めて、別の角度から書いてみたいと思います。画像の準備はできているのですが、文章をもっと詰めたいので、それは後日ということで。

追記

 第2回目の記事では、ピリ・レイスの地図そのものをもっと詳しく分析しています。また、地図に記載している書き込みを全文和訳しています。