姿勢を正し、肩こりを軽減する「大阪市大のストレッチ」が話題に!

生活編

 肩こり体操はたくさんあり、とても覚えられない(笑)。

 録画されたテレビを見ていたら、大阪市大の教員が開発したストレッチが話題になっていることを知りました。
 実際にやってみると簡単だし、効果があります。これはいい!

 2分43秒の動画がYouTubeで配信されているので、これを見ながらやるのが一番かも。やり方を一度覚えてしまえば、それを忘れてしまっても、また動画を見ればすぐに思い出します。

  YouTube, “市大ストレッチ”

 このストレッチは、大阪市立大学都市・健康スポーツ研究センターの横山久代準教授が開発したもので、学生の姿勢が悪いことから、イスに座ったまま体をほぐすことができるように科学的に考えられたストレッチなのだそうです。実際に、授業後や会議後に実施して、凝り固まった体をほぐしているそうです。

六種類の体操

 体操は六種類あります。基本的に、肩から背中にかけての大部分を覆っている僧帽筋(そうぼうきん)を大きく動かすような動きに意識を集中すると良いようです。

  1. ペリカン背中ほぐし
    腰に手を当てたまま、ヒジを前後に動かす。
  2. ニワトリ首伸ばし
    首を前にスライドさせるように、重い頭を支えている首を伸ばす。
  3. ペンギン肩ほぐし
    両肩を上にすぼめてから、ストンと落とす。
  4. マイケン体操
    状態をやや伏せて、手の力を抜き、ヒジでクロールするイメージで両腕を回す。
  5. バンザイ肩甲骨ほぐし
    ヒジが前に出ないように、両腕を上に伸ばす。肩甲骨を寄せるイメージ。
  6. ローイング全面伸ばし
    手のひらを下に向けたまま船をこぐイメージで両ヒジを引く。

なぜ、僧帽筋というのか

 なぜ、この筋肉を『僧帽筋』というのかというと、Wikipediaには、「僧帽筋(trapezius (muscle))は人間の背中の一番表層にある筋肉である。 英名は「台形」を意味する語に由来し、首、左右の肩、第十二胸椎がつくる四角形から命名されたものである。 和名はカトリック教会の一派であるカプチン会修道士のフードに見立てたことによる。」と書いてありました。

 この記述は本当なのだろうか。そもそも『僧帽筋』という言い方は日本以外では使われない言葉です。ヨーロッパ諸国では “trapezius” に由来する単語が使われています。中国語では「斜方肌」だし。学術用語はラテン語由来のものが多いのですが、こんな言葉を使っているのは日本だけです。

 このフード(cowl)は、別にカプチン会修道士に限らず、フランシスコ会修道士も同じようなものを着ています。カプチン修道士会は、フランシスコ会から分派したので、修道服(monk’s habit)が似ていても当然のように思います。

 『「カプチン会」の名は修道服の頭巾(カプッチョ, イタリア語: cappuccio)に由来する。その印象的な頭巾から人々が呼んだものが正式な名称となった。』(Wikipedia, 「カプチン・フランシスコ修道会」)

レンブラント(Rembrandt)が彼の息子ティトゥスを描いた「カプチン派修道士の姿をしたティトゥス(Titus as a Monk):1660年」が有名です。

 そもそも、カトリックの修道会の中のフランシスコ会の分派であるカプチン会の修道士がかぶっていた修道服の名前を『僧帽筋』という日本語に充てたのは誰だったのでしょうか。普通の日本人は、修道士さえも見たことがない。相当、頭のいかれた、独善的で自己主張の強い人間が命名者であることは間違いなありません。上のレンブラントの絵(のコラージュ)を見ても、僧帽筋の形には見えない。むしろ、トランプのダイヤの形に似ているので「ダイヤ筋」と言われる方がすっきりします。

 普通は、言葉の由来を聞くと、「なるほど」と「ガッテン!」するのですが、僧帽筋に関しては「ガッカリ!」です。Wikipediaはいつものように出典を示さない(示せない)孫引きのようなので、本当の由来は闇の中という気もします。