不思議の世界:同じ時刻に、一度にたくさんの生命が失われた事件・事故の意味することとは

ミステリー

 ふと、こんなことを考えました。

 「これまでの歴史の中で、事件、事故や戦争などで命を奪われた人はたくさんいるけれど、限りなく同じ時間、秒以下のコンマまで同じ時間、瞬時にたくさんの命が奪われたのはどの出来事なのだろう?」

 戦争では数百万人の方が犠牲になっています。しかし、同じ日時ではありません。

 最初に思い当たるのが広島に投下された原爆。まさに一瞬で12万人の方の命が蒸発しました。

 人類史上、これほど多くの人命が”同時に”奪われたことは他に例がないと思います。この行為は、どんなに正当化しようとも、正当化できるものではありません。ギネスブックに登録できるレベルの内容ではないでしょうか。

 「人類史上、同時に最も多くの人命が奪われた事例」
 ワンパターン化している原爆の日のイベントに一矢を報いることができるかも知れません。このような視点で訴えることこそ、人々の共感を呼ぶように思います。

 次に思い浮かぶのが飛行機事故。世界最大の飛行機事故は1977年3月27日に発生しました。
 「テネリフェ空港ジャンボ機衝突事故」と呼ばれる航空機同士の衝突事故で、乗客乗員合わせて583人が死亡しました。しかし、この事故は滑走路上で発生しており、同時刻(秒コンマ以下まで)に583人の方が亡くなったかどうかは疑問が残ります。

 航空機事故で一度に多くの人命が失われた事例の2番目は、日本航空機の御巣鷹山墜落事故です。この事故で520人の方が亡くなりました。生存者の一人、落合由美さんの証言によれば、墜落後でもまだ多くの方が生きていたようです。

 どちらの航空機事故が一度に多くの人命を奪ったのかは定かではありません。しかし、瞬時に500名近い人命が失われたことは間違いのないことでしょう。

瞬時に多くの人命が失われることの意味とは

 管理人には不思議に思っていることがあります。それは、死んでゆく時は一人だけ・・、という法則が上の事例では当てはまらないことです。同時に死んでしまった人がたくさんいます。

 それの何が不思議なのか。
 閻魔大王がパニックを起こします。三途の川が人で溢れかえります。

 霊魂が存在しないということを間接的に証明しているようにも思えます。

 巷の霊能力者は絶対に触れられたくない視点でしょう。

ライアル・ワトソンの『100匹目のサル』

 管理人がこんなことを考えた理由のひとつが、ライアル・ワトソンの『100匹目のサル』のことが頭をよぎったからです。Wikipediaには『百匹目の猿現象』として次のように掲載されています。

 「百匹目の猿現象(Hundredth Monkey Effect)は、生物学の現象と称してライアル・ワトソンが創作した物語である。疑似科学又はオカルトに分類されている。宮崎県串間市の幸島に棲息する猿の一頭がイモを洗って食べるようになり、同行動を取る猿の数が閾値(ワトソンは仮に100匹としている)を超えたときその行動が群れ全体に広がり、さらに場所を隔てた大分県高崎山の猿の群れでも突然この行動が見られるようになったというストーリーであった。このように「ある行動、考えなどが、ある一定数を超えると、これが接触のない同類の仲間にも伝播する」という、実際には存在しない現象を指す。」

 ザックリ言うと、ある行動が、一定数以上の個体で行われるようになると、その行動が爆発的に他のグループにも伝播していく。その伝播の過程は地理的、時間的に説明できない、というもの。この『一定数以上』が『閾値(いきち)』と呼ばれるもので、ライアル・ワトソンはこれを仮に猿100匹としました。

 この説は科学的ではないとして否定されているのですが、「平和の絆(鎖)」のようなイベントで時々耳にする理論です。
 この説を唱えたライアル・ワトソン(Lyall Watson)をまるでオカルティストのような扱いをするのが『専門家』と呼ばれている人たちです(笑)。

 彼の説を否定するのは簡単・・・ではなく、とても難しい。他の事例ではそのようなことは起こらない、ということは、この仮説を却下する根拠にはならないからです。それが『閾値』の問題。他の事例で同じ現象が起きないのは、『閾値』に達していないから。そのようにも捉えることも可能です。

 さらに言えば、この仮説を唱えたライアル・ワトソンには、この説を証明する義務はないのです。証明は他の研究者の仕事。宇宙物理学などでも、仮説を唱える人と、それを証明する人は別人ですね。

 ライアル・ワトソンという人物は、オカルティストとは関係ない方のようです。ロンドン大学で動物行動学の博士号を取得しています。

ガイア理論に似ている?

 1960年代に「ガイア理論」という仮説を提唱したのがジェームズ・ラブロック氏。彼は、NASAに勤務していた大気学者で、化学者でもあったのですが、発明家でもありました。そこで得た資金を元手に孤高の理論を打ち立てました。どこにも所属しない一匹狼のような学者です。個人的には、このような研究者が大好きです。

 彼が提唱した「ガイア理論」はそれまでにない地球の姿を映し出したものでした。それは、生きている存在としての地球です。ラブロック博士は、地球と地球上のあらゆる存在が互いに関係し合いながら地球環境をつくりあげていると捉えました。そして生命体としての地球をギリシャ神話に登場する大地の女神の名になぞらえて『ガイア』と呼びました。

 この理論も生物学の「専門家」からは猛反発を受けることになります。

 彼の理論は包括的な仮説なので、細分化された学術分野の学者たちでは本来は反論さえ出来ない筈なのですが、自分の学術分野の定説に反すると猛反発するという構造はいつの時代も同じです。蟻にはキリンの視野はありません。

 人間活動による環境の変化が地球の自己修復能力を上回ったために、干ばつや洪水が多発しているのではないか、そう考える研究者も増えており、近年、この理論に再び注目が集まっています。

 自己修復能力の限界を超えた、すなわち、閾値を超えたという意味で、『100匹目のサル』理論と類似性を感じます。

「甑島の美咲ちゃん」効果の閾値

 日本テレビ系列『幸せ!ボンビーガール』で人気の甑島の美咲ちゃん。

 この番組による地域興しの効果はどれほどなのでしょうか。ここでも『閾値』が気になります。視聴率がある一定ラインの「閾値」を超えると、時間、空間を超越して爆発的な空前のブームが起きる。「冬のソナタ」が好例でしょう。『100匹目のサル』理論は健在なのかも知れません。

 ちなみに、『100匹目のサル』理論の舞台は宮崎県串間市東部の離島「幸島(こうじま)」のお猿さんたち。そして、美咲ちゃんのいる甑島(こしきしま)は、鹿児島県薩摩川内市に属する列島です。最近の離島ブームに拍車をかけているかも。