ルノワールの「イレーヌの肖像画」を3Dにする:超高画質GIFアニメの作り方

GIFアニメの作り方と素材庫

 国立新美術館で5月7日まで開催中の『ビュールレ・コレクション、至上の印象派展』に行ってきました。

 目的は、ルノワールの『イレーヌ・カーン・ダンヴェール嬢』の肖像画を観るためです。

 写真ではなんども見ていたのですが、実際に観ると、写真で見るのとは大違い。

 それは、絵の具が盛り上がっているため、より立体的に見えるのです。

 特に気になったのが、胸元のブローチとレースの襟の部分。さらに髪の毛とお尻の部分の立体感。写真では平面的ですが、実際に観ると、とても立体感があります。

 そこで、この感動を忘れないうちに3Dにしてみました。

 今回は、超高画質でなめらかな動きの「3D GIFアニメーション」を作ります。

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超高画質GIFアニメの作り方

 毎回作り方が違うのですが、今回は以下の手順で作りました。

  1. フリーソフト『チクワしか持ってねえ』を使って、3DのGIFアニメを作成。生成されたGIFアニメは8枚のフレームでできています。
  2. このGIFファイルを『GIAM』に読み込み、全てのフレームを画像ファイルとして出力。
  3. 『Abrosoft FantaMorph 5』に、上で出力した画像をシーケンスとして読み込み、各シーケンスの画像にぶれが生じないようにピン留めして調整し、GIFアニメで出力。今回はリバースにはしない。中間画像が生成されるので、できあがったGIFアニメは91枚のフレームからなる。
  4. このGIFアニメを再度『GIAM』に読み込み、全てのフレームを選択して、ウエイトをゼロにする。枚数が多いので、ゼロウエイトでもゆっくり、かつ、綺麗に表示される。
  5. 高画質で作成しているため、ファイルサイズは20MBと巨大。ブログにアップすると重すぎるため、外部のサービスを使用し、そこにアップロードし、そこからリンクする形でブログに表示。

 今回の作業で一番手間がかかったのは、『チクワしか持ってねえ』の設定。同じことは、Photoshopでもできるのですが、『チクワしか持ってねえ』に比べるととてもめんどくさい。今回は、『チクワしか持ってねえ』でなんどもGIFとして出力しておかしな所を修正するという作業を繰り返しました。

 手順を書くと簡単なのですが、この手順以外で、今回のような高画質のGIFアニメを出力しようとすると、様々なトラブルが発生します。高画質で作る過程で、サイズが大きくなりすぎて出力できない、ゴーストが発生する、アニメが動かない、など、通常のGIFアニメ制作では起きないトラブルも発生します。

 手順では書かなかったのですが、最後の段階で画像の下部をトリミングして削除しています。これはWebサービスを使うのですが、アップロードできる最大サイズに制限があります。これがリバースを入れなかった理由です。ファイルサイズが二倍になるので。大きなサイズのファイルを扱うことになる高画質GIFの作成は、いろいろ気を遣います。このため、滅多に作りません。大きなサイズになるときは、動画にします。でも、動画だとリピート再生をどうするのかという別の問題が発生します。

 GIFアニメは画質が悪い、という常識を覆す高画質GIFアニメーションの作成とアップロードについて書きました。

 イレーヌの動きはスムーズだけれどぎこちない。これを修正するには、Photoshopで処理する必要があるので、今回は省略します。