せっかく海外に行くのなら、できるだけページ数の多い本を持って行こう!

海外旅行編

 連休などを利用して、海外旅行に出かける方も多いのではないでしょうか。

 そんなときにお勧めなのが、普段は時間がなくて読めない本を持って行くこと。

 それも、1巻で終わるのではなく、上下巻など複数の巻になっているものがお勧めです。

 一冊のページ数は、厚めで、400ページ以上の文庫本がお勧めです。

 海外旅行は、とにかく時間がたくさんあります。南米に行くには30時間くらいかかります。飛行機の中だけでなく、空港での乗り換えの時間もあります。さらに、目的地での長距離の移動もあります。

 この時間を有効に活用できれば、後になって、旅行に対する満足感が増すと思います。その時は気づきませんが。

 時間に追われて生きているような現在の私たち。じっくり本を読む機会がめっきり減ったと思っている方も多いのではないでしょうか。

 ネットや携帯など、さまざまなメディアが生活の中に入り込み、本を読む時間がとれないというのが実態でしょう。

 本は読みたいけれど、時間がない。特に読みたい本がない。本を読まない理由は人それぞれでしょうが、心の中では、「本を読まないとマズい」という意識がどこかにある。

 その理由は、趣味の欄に「読書」と書けないから。たとえば、お見合いのような見ず知らずの人に自分をアピールする必要が生じたとき、趣味は「読書」と言うと、知的に思われるかも、というある種の打算があるのかも知れません(笑)。

 普通の人はとても読まないような超長編小説を読むのは、海外旅行中が一番です。管理人は、海外出張中にたくさんの長編小説を読みました。たとえば、「三国志」。全8巻の大作で、1巻のページ数は400ページ以上で、もとても多い。何しろ、時間はたくさんあるので、それを有効に活用しないともったいない。歴史好きの人でも「三国志」をまとめて通読したことのある方は少ないと思います。

本の入手は「ブックオフ」ではなく「フリーマーケット」

 
 海外旅行に持って行った本は、読み終わると、現地で捨てます。日本を出発するときは、重い荷物ですが、帰国時には全て捨てているので問題ありません。その分、お土産の重量が増えています。トランジットのたびに、一冊ずつ本を捨てていく快感! 荷物が軽くなるので、捨てるときはうれしい!

 海外旅行に持って行く本は、現地で捨ててしまうのが前提なので、「ブックオフ」では買いません。可能であれば、フリーマーケットで見つけます。1冊10円くらいで買うことができます。これなら、旅行先で捨ててしまっても惜しくはありません。また読みたくなったら、ブックオフで買えば良いので。

 外国人へのお土産も、フリーマーケットで買うと、とても品質の良いものがただ同然で買えることがあります。

 管理人が買って良かったと思ったのは『羽子板』です。たぶん、孫のためにじいちゃんばあちゃんが買った羽子板なのでしょうが、狭い日本の家屋には飾る場所がなく、フリーマーケットで売られていました。

 外国人の友人に羽子板をお土産に買おうと思ったら、大きなものだと1万円はします。それが数百円で買えるのですから、お土産としては最適だと思いました。

小さな本屋が町中からどんどん消えていく日本

 日本人は本を読まなくなった、というのは本当でしょうか。

 書籍、雑誌の売り上げが落ちている。町中の書店がどんどん閉店している。
 
 本の出版数の激減や本屋の閉店が嘆かれていますが問題の本質は別のところにあるのかも知れません。

 海外で本屋に行くと、日本のようにたくさんの本・雑誌が置いているまともな本屋を見かけません。管理人は、一度も見たことがない。

 そんな外国の本屋に置いてある本は、ジャンルがとても偏っています。ロマンス、冒険もの、キリスト教関連。そして、質の悪い子供用の本や教材。これですべてという感じです。

 日本の感覚で海外の本屋を訪ねると、カルチャーショックを受けます。 

 やはり、日本の本屋は、とても充実した品揃えになっています。

 そんな日本の出版界や本屋が存続の危機にある。

 たまにテレビで放映されるテーマですが、放送内容はピントが外れているという気がします。 

 そもそも、出版社が多すぎます。

 出版社の乱立、本の過剰出版が出版業界の危機を招いているのであって、実力のない会社は淘汰されるのは当たり前のこと。不祥事を起こすと、編集長の首をすげ替えただけで生き残ろうとする会社が多すぎます。

 町の本屋さんが廃業している原因の一つに、「アマゾン」の存在が挙げられています。税金を払っていない「アマゾン」がやり玉に挙げられますが、それは、税制が対応すべきことで、庶民の感覚とは違います。

 町の本屋さんが廃業している本当の理由は、マスコミがいつも標的にする「護送船団方式」による書籍・雑誌の「再版制度」のゆがみのせいです。本来なら、独占禁止法により、再販売価格の拘束を禁止しているのですが、「1953年の独占禁止法の改正により著作物再販制度が認められています。出版物再販制度は、これまで幾多の見直しが行われ、現在の再販制度の運用について改善を図ってまいりました。」(「日本書籍出版協会」HP)

 出版界にとっては「改善」なのでしょうが、一般消費者にとっては、理不尽な制度を押しつけられているということでしょう。

 本を読まない若者が増えているという数値を用いて、「日本文化が衰退する」とうそぶくコメンテータがいます。情報を受け取るツールが発達した現在のIT社会を完全に無視した、コメンテータが自らの主張に都合の良いことだけを使うという典型的なコメントに過ぎません。

 「若者たちの文字離れ」などもこの部類に属するでしょう。

 「若者たちの文字離れ」などあるはずもないこと。たくさんのツールを使って情報の交換が行われています。もちろん、「文字」を使って。

 もう一つ着目すべきことは、『メディア方式の違い』です。昔は、文字や挿絵・挿入写真でしか情報を伝えることができませんでした。しかし、現在は、これらに加え、『映像』という新たなツールが身近なものになりました。

 このような社会変化を無視して「本の出版数」を議論すること自体がナンセンスという気がします。映像か文字か。それを本の販売数に結びつけるのは短絡的といえます。

 「若者の読書離れ」と一言で括りたがるのは発言者の老化の現れ。メディアが発達した現在において、利用者には多くの選択肢が提供されています。その一つが「本」に過ぎません。

 かつては、唯一の情報共有手段として重宝された書籍は、現在ではその役割が大きく低下してきています。

 このような当たり前のことを無視して、『本』に神秘性を持たせるかのような発言をする人がいます。

 知識・情報の入手手段は、それを必要とする人たちの年代により異なります。一つのメディアを良い悪いと判断するのは短絡的と言えそうです。

 年齢により、また、持てる時間によりどのメディアを使うのかが決まります。若者のテレビ離れは、時間の問題。CMや芸能人のコメントを聞くほど暇な若者はいなくなりました。

 本屋の閉店が話題になると、「本屋で本を買いましょう」となる。

 時代劇のドラマが減って、撮影スタッフが職を失うとなると、「みんなで時代劇を見ましょう」となる。

 本が売れなくなったという話題で、決して出てこないことがあります。

 それは、

 出版されている本の質は? ⇒ 本の質が低下しているのでは誰も買わない。料理を作らない人のレシピ本などが典型事例。

 誰が書いているのか?   ⇒ 話題の人物に偏った出版が主流で、編集者の新人発掘姿勢が欠如している。

 不祥事の説明       ⇒ 大手出版社で頻発する不正行為・違法行為に対する社主の責任を隠蔽。他の業界ではさんざん叩くくせに。全て、首のすげ替えが簡単な編集長の責任止まり、という奇妙な社会。

 Book OFFに並べられている本を見て驚くのは、まとめサイトのようなものが多く出版されていること。

 著者名はなく、どこかのチームが作ったものらしい。

 出版されている内容が読者のニーズを反映しているのか。

 専門書は、本当に”専門書”になっているのか? その質は?

 最後に、海外出張や旅行には、できるだけ厚い本で、巻数の多いものが最適。その意味で、「三国志」全8巻がまだ読んでいない方にはお勧めです。女性の方であれば、「赤毛のアン」シリーズがお勧めです。

 管理人は、本をたくさん読んだという感覚はなかったのですが、よく考えると、普通の人が読まないような長編小説ばかり読んでいました(笑)。海外出張にあたり、とにかく長い小説を無作為に選んだ結果です。

 海外旅行中に読んだ小説の中身は意外なことによく覚えています。

 人間の人生はとても短い。残された寿命の中で、あと、何冊本を読めるのだろう? 無駄打ちはしたくない。

 ここで、もう一度、本文を読むと、この記事を書いた管理人の意図が分かると思います。