北斎好きにはたまらない『すみだ北斎美術館』に行ってきました!

 2016年11月22日に開館した『すみだ北斎美術館』に行ってきました。

 北斎が90年の生涯のほとんどを墨田区内で過ごしながら、優れた作品を数多く残したことから、墨田区が葛飾北斎専門の区営美術館をつくってしまった。

 大変な人気らしいと聞いたので、混雑を避けるために平日に行ったのにやはり混んでいました。

 北斎がいかに人気のある芸術家なのかを改めて実感しました。外国人もたくさんいました。

 この美術館は、建物構造がとても奇妙です。訪問した人は、まずそれに驚くのではないでしょうか。
 美術館の外観はこのような形をしています。

 どこから見ても同じ形です。


 

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奇妙な構造の美術館

 この美術館は、これまでに見たことがないほど奇妙な構造になっています。

 建物は4階建てですが、常設展示が行われているのは4階のフロアーだけ。そこへはエレベーターでしか行くことができません。階段の使用は制限されています。そもそも、階段がどこにあるのか分からない。防災上、問題がありそうです。

 4階が常設展示室と企画展示室、3階が企画展示室になっています。では、2階はというと・・・、何に使われているのか不明です。パンフレットには2階のことは何も書かれていません。図さえありません。

 1階は綜合案内・チケット売り場と売店になっています。しかし、やたらと狭い。これは、建物の1階部分が外とつながった通路で区切られた独立した4つのブロックに分かれているため、このようなおかしなことになっている。

 何がおかしいのか。

 美術館に来た人は、エレベータを使って4階まで行く必要があります。そして、エレベーターで1階まで戻ってくる。これ以外に方法はありません。このため、2基あるエレベーターは常時行ったり来たり。もし、展示室が2階にあるのであれば、エレベータを待つこともなく階段を使って移動できます。使われていない2階、3階を素通りして動いているエレベーター。なんとも無駄なことに電気を使っています。展示室の位置を変えるだけで電気代が半分になります。

 そもそも、階段がどこにあるのかが分からない。パンフレットには2階の図面がないし、1階の階段の位置も不明。火災や地震など防災上、問題がありそうです。たくさんの人で混み合っているので、まず感じたのはそのことでした。怖い構造物だと思いました。美術館は、不特定の人間が出入りするものの消防用設備の設置条件等が厳しい特定防火対象物にはなっていません。だから、よけいに怖いと言えます。

 図がないと理解できないと思いますので、すみだ北斎美術館のパンフレットにある各階フロアー位置図で確認ください。


すみだ北斎美術館パンフレットの各階案内図

 1階の入口のフロアーがとにかく狭い。1階部分のスペースをブロック分けしたため、エントランスがとても狭くなっています。しかも、地下に行くための螺旋階段もあり、エントランスフロアーが余計に狭く感じます。週末など、チケットを購入する人と、エレベーターを待つ人と、エレベーターから降りる人でごった返すのではないでしょうか。

 すみだ北斎美術館のプレスリリースを見ると、開館記念展「北斎の帰還-幻の絵巻と名品コレクション-」開催期間中(2016年11月22日~2017年1月15日、会期:45日間)の入館者数は98,673人で、目標としていた入館者数3万人を達成したそうです。それも、目標の3倍の入館者数です。考えただけでも恐ろしい。平均すると1日あたり2,200人くらい。平日ならその半分程度でしょうか。この期間の入館料収入は1億1千4百万円くらいでしょうか。

 でも、管理人が行ったのは平日にもかかわらず混んでいました。常設展示室の中には少なくとも50人くらいはいたと思います。それでも何とかゆっくり見ることができたのですが、この人数が限界だと感じました。週末には行ってはいけない美術館・・です。

 この美術館は、もともと大人数を受け入れるようには設計されていないのでしょう。何しろ、トイレの数がとても少ない。常設展示期間中は、4階にしか行けないのですが、4階にはトイレがありません。使えるトイレがあるのは、1階と地下だけ。1階のトイレは個室が1個だけの小さなもの。地下のトイレは個室が2個で大きいとは言えない。

 この美術館のトイレを使おうと思ってはいけません。チケット売り場で行列、エレベータ待ちで行列、トイレ待ちで行列です。

常設展示

 常設展示は見応えがありました。
 まず、エレベータを降りたホールにある『須佐之男命厄神退治之図(すさのおのみことやくじんたいじのず)』が目を惹きます。

 この絵は、1845年、北斎85歳の時の作品で、幅2.76メートルの肉筆画でした。江戸・向島の牛嶋神社に奉納されましたが、関東大震災で焼失してしまいます。これを残された写真をもとに復元したのが展示されている絵です。2016年11月23日、NHKで放送された『ロスト北斎 The Lost Hokusai「幻の巨大絵に挑む男たち」』でその復元作業が紹介されていたのでご覧になった方も多いのではないでしょうか。

葛飾北斎 須佐之男命厄神退治之図 葛飾北斎 須佐之男命厄神退治之図

 常設展示室に入って直ぐ右手には、北斎アトリエの再現模型は圧巻です。北斎とお栄の等身大フィギュアがあります。二体とも少し動きます。本当によくできています。実は、これを見るために美術館を訪れた管理人でした(笑)。

北斎仮宅之図フィギュア
北斎仮宅之図フィギア2

 北斎が84歳の頃、区内の榛馬場に娘の阿栄とともに住んでいました。その様子を門人で浮世絵師の露木為一(つゆき いいつ)が絵(『北斎仮宅之図』)に残しており、それを元に模型で再現しています。北斎の下半身はコタツに入っているのだそうです。

 すばらしい出来栄えです。これには感動しました。

露木為一「北斎仮宅之図」  露木為一「北斎仮宅之図」

 展示物は、ネットや本でいくらでも見ることができるので、それほどの感動はないのですが、絵や版画の大きさは興味を惹きました。写真では分からないので。

 北斎の肉筆画で感動する作品は『富士越龍図』。この絵は1849年、北斎が亡くなる年に描かれたものです。龍が非常に細部まで描かれています。本物を美術館でみる醍醐味を味わえます。

富士越龍図

 展示については、すみだ北斎美術館のホームページを見た方が分かります。

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